♦♦♦♦♦♦♦♦♦ 国際結婚で台湾在住、柴犬3匹との台湾生活を綴っています。あっという間に台湾11年。  ♦♦♦♦♦♦♦

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
拾金不昧という台湾の言い回しがあります。

拾金=金銭・物品を拾う
昧 =隠す 隠蔽する

つまり「何か物品を拾っても自分のものにしない」って当たり前のことです。
でも、この厳しい世の中、出来ない人もやっぱり増えてるんですよね。

つい先週、台湾の世論を賑わせた事件がありました。ことの始まりはその「拾金・落し物」です。

まずはこちらの動画をご覧下さい。(CGの表情がすっごく偏見に満ちてますけど)





☆長文だけどお付き合いください☆

要約するとこんなこと言ってます。

~報道① 新聞~

 12月13日。
 李婦人(40代)がバイクで子供と帰宅する途中、どこかでバッグを落としていた事に気づく。
 バッグの中には携帯の他、支払いに当てる2万数千元(6万円ちょっと)の現金が入っている。
 同じ頃、潘さんという20代女性が、台北県土城市の路上で李さんのバッグを発見。
 焦った李婦人が自分の携帯に電話を掛けると、潘さんが通話に出て自分が保管している事を告げた。
 李婦人は自分のバッグが無事戻ってくることがわかり心底ホッとした。


ここまでなら「カバンが帰ってきて良かったね」で済みますが、騒動になった原因はここから先の話です。


 李夫人は潘さんへ「紅包(ホンパオ)=謝礼」の意向を電話で告げた所、
 潘さんは自分は国立台湾高雄大学の法律系卒業者だと伝え、民法で定められた
 拾得金額の3割、すなわち現金6300元(約19000円)の報酬権利を主張。
 金額の多さと法律がわからない李婦人は、もしかしたら自分の聞き間違いではと、
 その後警察で会うことにした。

 李婦人は実は収入3万元弱で学生の子供二人と、老いた義母を養うシングルマザー
 謝礼とはいえ、支払うと明らかに生活が困難になる事を説明し、
 「3割の報酬を少し少なく出来ませんか?」と潘さんに哀願。
 しかし潘さんは3割報酬の権利を頑なに変えない為、見かねた警察も李婦人に助力し潘さんに苦言。
 それを聞いて潘さんは、
 「学校に行って、先生にこのような事をしてもいいかどうかを聞いてきます。」
 と返答したので、警察はそれ以上民事介入することをやめた。
 結果的に、李婦人は百元札が無かったので300元安い6千元を強制的に支払うこととなった。  
  


現代人の道徳観念を問いながら批判して〆られたこの記事、
最初に報道したのは良くも悪くも有名な台湾の東スポ、りんご新聞ですが。
たちまちこの話題で持ちきりになり、かの海老蔵さん事件を彷彿させるような大論争が勃発

「学校で法律は教えても、道徳観念は教えないのか」
「台湾の人情はどこへ?」
「死要銭!(死んでも金がほしい)みっともない!」


「不用心に落とすほうが悪い」「全部遺失してしまうよりはいい。」という意見もありますが、確かにそうだがこちらから謝礼を望むものではない!と無理に報酬を奪う潘さんに批判が集中。さらに「大学に抗議しろ!」と潘さん叩きはよりエスカレート。台灣高等法院の裁判官も法律家として恥ずかしい行為だと非難し、対応した警察もテレビのインタビューで答えます。

 報道② 警察

 「道徳的に、本人の生活状況を見て考慮できませんか、
   この金額は必要なのですかと話した。
   李夫人もこんな多額のお金を失くしたくないのですが、いいですかと聞いたが、
   潘さんは、頑なに自分が知る法律で拾得金額の3割の報酬をまだ言いつづけた。」 

 


警察にもそう言われて、大さわぎになったところで、
今度はカバンを拾った潘さんが報道の無実を訴えます。

~報道③ 潘さん~

 友人と母校運営の動物保護の慈善活動中、路上に落ちていたカバンを拾った。
 李夫人にカバンを拾った事を知らせた所、李夫人自ら「紅包を渡す」と申し出たが、
 最初はそれを断った
 そして「じゃあ謝礼をくれるなら、寄付に当ててもらってもいいか?」
 と伺い、李婦人がいくらかたずねたので、3割報酬の民法を挙げ
 「(寄付するのに)6000元ですが」

 と李婦人に確認して、本人もいいよ、いいよと快く承諾した
 カバンを拾い、寄付をして、一つ良い行いをした為に、私達の学校を出た学生みんなが
 非常にいけない事をしたかのように言われている。私も濡れ衣を着せられてとても困惑している。
  
 


3474516873.jpg ←周囲の重圧で参っちゃって必死に弁明する潘さん

寄付した証明に、自らが長を務める慈善団体への6000元の李夫人の受取書が公開されましたが、
この報道がされても既に後の祭り状態。

「寄付するなら他の団体でもいいのになぜ自分の団体に寄付?結局自分のポケットだろ。」
「報道されて焦って寄付したに違いない!日付がおかしい、領収書は怪しい。」
「劫貧濟狗だ!(貧乏人から奪った金で犬を助ける)」
「警察が公に嘘を言っていることになるけど?」


台湾のネットユーザーはこの件に関しての怒りが収まらず、2chのようなプチまとめページまで作られ、人肉搜索(=様々な人を駆使して捜索すること)を駆使してあっという間に潘さんの本名と住所がネラーもびっくりの祭り状態に

怖いですね~。こういう仕事は速いんだよー台湾www

そんな中、領収書公開を受けて別のTVのインタビューで答えた当の李婦人。

1035088855.jpg

報道④ 李婦人

 「私が自分から寄付を望んだというのは事実ではない。(紅包は当初2000元のつもりだった。) 
  昨日、突然私の名義で団体に寄付した領収書をテレビで見て驚いた。しかし私があげたお金を、
  彼女がどう使おうが関係ない。やっぱり彼女がカバンを拾って届けてくれたことに感謝してるので。」
  


あやふやに聞こえますが、本人は怒っておらず、逆に感謝している様子です。
じゃあ、誰がリークしたのか。。。

最後は潘さんの友達だと言う女性。
 
 「李婦人が最初に金額の半分を謝礼にと言ったが潘さんは断った。
  でもどうしても謝礼したいと言うので、慈善団体への寄付(法律で3割)を提示し相手も同意したのに
  警察で会ってから話が一変している、リンゴと警察はむちゃくちゃ言ってる。」

 

このように、SNSで報道と警察に対して怒りで表したことから、辻褄が合わずどんどん収集不可能になり、真実が語られないまま報道は突如終了。紙面であれだけ騒がせておいて、突然報道をやめるマスコミ。国民の「知る」権利を無視した報道のあり方に不満を唱える人は少なからず・・・。どこも一緒ですねえ。


確実に誰かが嘘を言っていることになりますが、一つの報道だけで全てを信用しちゃいけないってことでもあります。ちなみにシングルマザーといわれた李婦人、本当は旦那があまり家に帰ってこないだけでそこまで貧困ではないと本人が訂正しています。多かれ少なかれ報道に誇張があったのは確かです。
結局は最初から素直に紅包もらうか、相手を思って寄付も何もいらないと徹底していれば起らなかった騒動、事態を重く見て、慈善団体は寄付金6000元をすぐさま返金、立法委員も低所得者には3割の報酬を渡さなくてよいと法を変えようとする動きがありました。
結局、騒いでも無意味だったのかと思えばそうではなく、実はこの事件の影響なのかどうか、その後一週間で立て続けにこんな「拾金」報道がありました。


①彰化の大学へ日本から交換留学として来ている日本人が2万円弱入った財布を外で落とした。
  道路上に落ちていた財布を拾った同じ大学の台湾学生が届け出て、更に謝礼も辞退した。 

②ゴミ収集で利を得ている男性が、10万元の現金と20万元分のスクラッチカードが入ったカバンを拾う。男性はすぐ最寄の警察に届け出、そのまま持ち主の元へ。持ち主は感激して6000元の謝礼を渡そうとするが男性はいらないと答えた。

③奥さんの為、座月子センターに支払う20万元を持った男性が、途中弁当を買う際にポケットから10万元を落としてしまう。通りがかった若い男性がお札を拾い上げ、近くの交番に届け出た。若い男性は「当たり前のことです」と謝礼は断った。

④失業中の女性が道路で封筒に入った10万元と入金用紙を拾い、相手はきっと焦っているはず・・とすぐに警察に届け出た。「いい事させてもらったのだから、謝礼はいりません」と、落とし主の報酬金を断った。




集中した金銭の届出報道。w いい人っているんですねえ。(もちろん逆もいますよ)
前にもこういうニュースをブログで書いてました私。→(過去日記

普段なら大きな話題にならない事でも、騒動の後だから余計に目立った為と思いますが、今回ボロクソに言われた潘さん、結果的社会にいい影響を与えた反面教師かもしれませんね。クリスマス前にいい話が少しでも聞けてよかったわ。


でもそれよりも、今回私が一番思った事・・・・・・、


台湾、どんだけお金落ちてんの????(゚ロ゚ノ)ノ



長~い文章に付き合ってくれてどうもありがとう☆
関連記事
2010.12.23 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://realworldtaiwan.blog45.fc2.com/tb.php/606-96d595e7
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。