♦♦♦♦♦♦♦♦♦ 国際結婚で台湾在住、柴犬3匹との台湾生活を綴っています。あっという間に台湾11年。  ♦♦♦♦♦♦♦

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11月号の文藝春秋の中で、某女性バイオリニストの手記が載っていた。

あるホテルに宿泊予約を入れていた彼女がホテル内に足を踏み入れた途端、
どこかで聞き覚えのあるクラシック音楽、しかも本業であるバイオリンの音色が耳に飛び込んできたそうだ。

そのBGMが自分のCDアルバムのものだと気づくのに時間はかからなかったが、
それが最近の自分の演奏曲ならまだしも、かなり昔の演奏曲だったようで、
過去の未熟な自分を突きつけられ思わずいてもいられないほど恥ずかしくなったと言う。

そもそも演奏家というのは、さすがプロというか、録音した自分の曲には絶えず不満をもっているものらしく、
それが更に昔の演奏となると、聞かされた側は過去のミスをつつかれたような、
穴があったら入りたいほどの気まずい思いをするようだ。

しかしホテルの従業員はそんなこと知る由も無く、誰かれ『貴女の為に最高のサービスをしています』と言わんばかりの満面の笑顔で迎えいれる。ロビーだけではなく、レストランでの食事も、チェックアウトの際も大きな音の昔の自分の演奏BGMが彼女を追いかける。しかしホテル側はあくまで最高のサービスのつもり、つまり好意しているので、「やめてくれ」と言えるわけもない。

結局フライトを早めてそのホテルを逃げるように後にしたらしいが、
「過剰なサービスは客を苦しめる」
「適度な距離感こそがよい人間関係を作り出す」

と彼女が話の最後に〆ていたのが印象に残った。


過去に同じ宿泊業務に携わっていたものとしては為になり、なるほどと思う話だった。
キメ細やかなサービス一つ一つが心に響いたとしても、一気に積もれば親切の押し売り
なかったら無いで文句言うけど、ありすぎると逆に気分を害す。
それも相手によって多様化しないといけない。人コミュニケーションの難しいところだと思う。

音楽家女性の『ご好意なので「気が休まらないのでやめて」といえない』という所が日本人だなあ~と感じるが、これ台湾でも結構聞く台詞だったりする。

似たようなことかもしれないけど、
たまたまこの前、ある会社の日本人の方から「台湾の接待は時々戸惑うね」という言葉を聞いたばかり。

聞けば、雇っている息子(社員)の親が出てきて食事などに招待してくれるらしい。
でも、これがもてなしに次ぐもてなしのオンパレードで、客人である社長には一銭たりとも出させない。
でもそれはこちらのやり方に沿った方法なのでしょうがない。
もちろん有難いことだが、毎回「いやいや、貴方に出させるわけには行きません」と、何でもかんでも、それこそコーヒーから交通費、宿泊代、本当に何もかもまであちら持ちなのはさすがに気が引ける。
でも何度も断ろうとすると「遠慮しないで!!」と言われてしまう。

どこかに連れて行ってくれるのはとても嬉しいが、結果的に自分で行きたかった場所や食べたかった物が無理になり、逆に気疲れしてしまったと言っていた。やっぱり好意なので、遠まわしに言ってもわかってくれないし、直接言うと失礼になる。される側も難しい。

確かにこちらの接待は、そういう招待側の面子がある文化と言えばしょうがないが、
でも相手ありきのもてなしなのに、やりすぎて相手へのいたわりに欠けるのは本末転倒だとは感じる。
まあ、そういうことをよしとする年代の人なのだろう。
せめてもてなしにもメリハリをつけるとか、時代や国際的価値観に沿った距離感と空気のTPOが欲しいところだった。

同じく似た距離感の話で、いい年した息子の仕事や生活について、親が子に口を出すことがある。
親孝行な台湾の子供は幾つになっても親には歯向かえない事が多く、子は渋々でも聞き入れる。
そうすると自分で考える力や、チャレンジができずに結果的に成長が妨げられるとある社長が懸念していた。

親が絶対的だという価値観を持つ年代と、
アメリカ等の個人的主義と自立を見ながらその間で揺れ動く台湾の若者の親へのストレスは大きい。
景気の良い時代にしこたまお金を貯めた親に援助してもらっている場合、
余計に言いたくても言えなくなり辛い所だと思う。

私のような元々他人の嫁は、義両親の意見をある程度まで聞くのはしょうがないと思う。けど、
親が子へそこまで言うかと思える場所まで乗り越えて指図するのに対し、
子は逆に親に対して何も出来ず黙ったまま・・・というシーンに出くわすと親子間の距離に戸惑う。

例えば、夫と親は本当の家族同士なのに、意見の衝突すら出来ない。
大人なので意見をいうと「親のいう事を聴かない子だ!」なんて怒られ、なんだかなあと思うのだ。
「家族でしょ」「あなたのためを思って」を名目に、自分の親でさえ聞いてこない分野(例えば夫婦生活とか)に入ってくる、自分都合で延びたり縮んだりするちぐはぐな距離感にちょっとゲンナリする。これもやっぱり悪気がない。

前出した「程よい距離感」は、そのツボにはまると確かに心地いい。
しかし一旦「心地悪い距離感」へはまってしまうと、とてつもなく居心地悪いもんだし、
お互いの気遣いでの暗黙の了解がないと、なかなかいい関係は築きにくい。
他人よりも親子や義両親という関係はちょうどいい距離の目盛り幅までも違うんだな。

夫婦間で「私達しばらく距離を置いた方が」は改善に向かう一歩だけど、夫婦が(義)両親とほどよい距離を取ろう・・・と思っても、相手はえっらく遠くになったと感じて揉め事の種になる。

だから、過剰なサービスでもなんでも苦情を伝えたらすぐに改善してくれたり、
自分と適度な距離を保っていい関係でいてくれるホテルはなんて素敵なんだ!と思わずにいられないのだった。

いや、ほんとに適度な距離感っては難しい。
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2010.11.02 / Top↑
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